以前、少しだけ話題にしたことがある、わたしの着るスーツを調達してくれてゐるTさんから、久しぶりに「お勧めできる最高級の生地のスーツが入荷しました。ご検討ください」とメールが来た。ほぼ半年ぶりだ。
早速、「検討の必要はありません」と返信して、すぐに代金も銀行口座に送金した。
Tさんは親友を癌で亡くしただけでなく、仲の良い友人の一人が若年性の認知症になつてしまつたことで、健康には人一倍気をつけるやうになり、情報を集めては勉強してゐるやうで、「今ではいつでも講演ができるほどです」と冗談交じりに、わたしにも情報収集の成果をお裾分けしてくれる。
今回話題になつたのは、認知症対策に「一か月に8回以上はカレーを食べることにしてゐる」とのことで、百均で「ターメリック」を何本も買つてきて、バッグなどに入れて持ち歩いてゐるさうだ。
アメリカの論文までメールに添付してくれた。
論文によると、毎日カレーを食べてゐるインド人は認知症になる割合が、アメリカ人の四分の一になつてゐる。
効果を上げてゐる成分が「ターメリック」ださうだ。一般には「ウコン」と云つたはうがわかりやすいだらう。
じつは、わたしは一年ほど前に、どうしたことか急に思ひ立つて「これからは週に一回はカレーを食べる」と宣言して、カレーの箱入りルーだけでなく、レトルトカレーも七、八箱は買ひ込んだことがあつたのだ。
しかし、Tさんとは違ひ、目的意識もなく、ただ掛け声だけだつたので、時々、カレーは作るし、レトルトも食べるが、一か月に一回食べるかどうかといふのが実態になつてゐた。
カレーは外では原則として(玉ネギが最大の理由で。ただし福神漬けも危険)食べないが、家では主に自分で作つて食べるし、好きでもある。
知人で必ず毎週金曜日はカレーにするといふお宅もあるので、まるで海軍だと思つたことがある。
カレーは食べて悪いことは無いだらうし、わたしにとっても、おにぎりや鮨と同じで、毎日食べても飽きることはなさうな食べ物だ。
せつかくTさんが「一緒に百歳まで元気に生きませう」と云つてくれてゐることもあつて、レトルトも活用しながら、ターメリックを添加しつつ、時々、カレーを作つて食べるやうに心がけることにした。
Tさんからのメールが届いた翌日には、スーパーマーケットでターメリックを六本仕入れ、ついでにレトルトを二箱、初めて見たルーも二箱買ひ込んで、既にある在庫も一緒に並べて寫眞を取つてTさんに送つた。
「さすがに行動力がある!」と喜んでくれた。